深沢俊太郎

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Shuntaro Fukasawa
新中国いろはたとえ歌留多


「新・新中国いろはたとえ歌留多」
(連載/月二回/毎月10日と24日更新)
No.38 2006年9月10日
新中国いろはたとえ歌留多:連載No.38
 人へのミヤゲ物というのも、なかなか見つけるのに、骨が折れるものです。筆者は、酒好き、と知られているので、はじめのころ、中国の人が、わたしにくれるモノ、といえば、中国のお酒が、ほとんどでした。しかし、これには、正直なところ、閉口しました。当初、ボクがもらった《白(バイ) 酒(ジィウ)》は、シマツに困りました。匂いといい、きつさといい、ボクの口にはちょっと無理かな、というものが多かった。さらに、瓶の栓のしまり具合も、甚だよろしくなかったこともあり、持ち運びに困り、結局は、密かに捨ててしまったこともママありました。ココのところを、贈る側に、分かってもらうのが、なかなかホネで、親しくなるまでは、ムゲに断るわけにもいかず、心を痛めたものでした。それが、時が経つにつれ、だんだん、図々しくなり、「紹興酒なら要るが、白酒は要らない」と、はっきり云うようになっていました。もっとも、今では、「結構、白酒も、いけますなぁ!」と、呑んでいるのですから、現金なものです。紹興酒などは、日本で手軽に、手に入るようになったことですし、何も重い物を持ち帰るまでもありませんので、「酒は要らない」と、はっきり断ることにしています。しかし、そうは云うものの、
《送(ソん) 番(ファン) 薯(シュウ) 皮(ピィ) 也(イエ) 是(シィ) 人(レン) 意(イィ)》(客家)
「田舎から送ってくるサツマイモの皮のようなつまらないものでも、これまた気持。」
という言葉のように、ワザワザ持って来てくれた人に対しては「気持! 気持、ね!」と受け止めねばならないこともあり、頂くよりしかたがありません。しかし、贈物とはいえ、アリガタ迷惑になることもあるわけで、贈る側は、心せねばならないです、ね。
 筆者自身、旅人に贈るときは、軽くて、かさばらないものを心がけてはいるものの、なかなか喜ばれそうなものは、見つかりません。ま、気に入ったものが見つからなければ、敢えて買わないことにしてはいます。そんなときは、時間の許すかぎり、少し贅沢な食事に誘うか、お金を少しばかり包み、《???!》(お年玉だよ!)《?包!》(ボーナス、ワイロだよ!)などと笑いながら云って出し、果物でも買ってください、というようにしています。
 チップについて、触れておきましょう。チップとて、贈物と同じで、気持第一、に違いありません。中国にも、随分と外資系のホテルが建ちました。同時に、中国独自の新しいホテルも、どんどん出来ています。ひと昔前に比べて、規模といい、清潔さといい、便利さといい、それこそ、サービスといい、全く隔世の感があります。

《要(ヤオ) 人(レン) ?(チィエン) ?(ツァイ),与(ユィ) 人(レン) 消(シィャオ) ?(ミィエ)》(『醒世姻縁伝』第八十一回)
「人様の銭金を受けたければ、人様の災いを消してやることだ。」

 受けたサービスに対して、あなたが心地良さを覚えたのなら、心づけを渡してやるのがいいように思います。金額的には、中国元で、5元〜10元(約45円〜150円)出すのが一般的、のようです。ただ、欧米のように出さなくてはいけないルールは、中国には、まだ根づいてはいないので、ボーイさんへのチップは、あくまで、気持が、優先します。
《礼(リ) 数(シュウ) 在(ザイ) 人(レン)》
「お礼の多い少ないは人によって異なる。」

《千(チィェン) 里(リ) 送(ソん) ?(ウー) 毛(マオ)、一(イィ) 点(ディェン) 一(イィ) 点(ディェン) ?(チォん) 心(シン)》
「はるばる遠くから鵞鳥の羽毛のような僅かなものを送るようなものですが、これはわたしのあなたに対するほんのおしるしの気持です。」
爽やかなサービスを受けたなら、ニッコリとして、出してやるのが、良いでしょう、ね。

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